森愛の響き Vol.17

森愛の響き Vol.17 2022年 冬号

発行日 2022年12月25日
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巻頭言

〈井の中の蛙にならない生き方〉
 私は、栄養学をかなり勉強して来ました。しかし、新たに深い栄養学の本を読むと、いかにまだまだかと思います。自分が知っていた知識など、極く極く一部にしか過ぎないのだと思えて来ます。新しい発見が毎日のように起こるからです。私はそこでいつも自分を戒めています。それは、「自惚れてはいけない」「固定観念に囚われてはいけない」さらに「井の中の蛙ではいけない」「上はいくらでもある」と言うことです。
 私は、このことはどんな人にも言えるのではないかと思っています。どんな学歴のある人でも同様です。むしろ高学歴の人程その傾向は強いかも知れません。
 私の医科大学の同級生は、3人出身大学(金沢医大)の教授になりました。そのうち、二人が60歳台後半に急死しました。二人とも現役の教授をバリバリやっている真っ最中にでした。しかも、二人とも急性心不全。一人は心臓外科の教授でしたから皮肉なものです。その心臓外科の教授には、心臓を病んでいると聞いたので、数年前に私の栄養学の本を贈り、「どうかこれを読んで心臓を良くしてくれ」と一筆書き同封。しかし、心不全での死と言うことは、私の栄養学の本は全く読まなかったのか、読んでも実行しなかったかでしょう。
 教授になると、ならなかった医師を一段低く見て馬鹿にします。さらに、自分は偉いんだ、医学のことは何でも知っているんだと思うようになります。そして、医学部で習った知識以外の医学的なことを馬鹿にします。栄養学なんて下の下と思うでしょう。どの薬を飲めば治るかばかりを考えて生きているのが医学部の教授です。そして、自分自身、西洋薬の薬漬けになります。まさに、固定観念でがんじがらめの頭の人ばかり。彼らは栄養学なんて下の下と思っているため、私の栄養学の本など全く読まなかったに違いありません。彼のプライドが許さないのです。しかし、それは、日本の医学部での話し。
 アメリカでは、栄養学の大会を医師が先頭を切って開催し、その大会に医師が大挙してやって来て、生徒として聴講し授業を受けています。アメリカの「プラントリシャンプロジェクト」と言う4日間の大会はまさにそう。これは医師が企画した栄養学大会なのです。生徒としてやって来た医師は、しっかり栄養学の授業を4日間受けたら、家に帰って実行するから凄い。自分自身がヴィーガン食を試し、自分の患者にも指導するようになったりします。アメリカは凄い勢いで、薬漬けから脱却しようとしているのです。ヨーロッパも同様です。彼らはプライドをかなぐり捨てて、どうしたら治るかを模索した結果、栄養学を勉強し始めたのです。要は、プライドが悪い。プライドは固定観念の塊になり、傲慢になり、視野を著しく狭くし、真実を見失います。
 そこで私はいつも思ってることは次。
・傲慢になるな ・自惚れるな ・井の中の蛙になるな ・好事魔多し ・視野を拡大して見よう
・謙虚に生きよう ・決して怒るな と言うことです。真理を知ると、このような思いになって来ます。
 どうか皆様方も、このようなことを知り役に立てて欲しいと思います。

医師 鶴見 隆史